H君は娘と同じ保育園に、卒園の8ヶ月前に入園した元気な男の子。
「H君はすぐにチューしたがるし、叩くからイヤだ」
転入後すぐに娘から聞いた話だ。
両親が離婚して、H君を引き取った父親か母親かは突然いなくなったらしく、
おばあちゃんと親戚の家をたらいまわしにされて、
現在は、おばあちゃん宅から登園しているという話を聞いた。
親が居なくなったのは、亡くなったとか蒸発したとか・・・・
私は週に一回、朝の30分を保育園に立ち寄って、
娘の同期の子供たちと遊んで過ごしています。
そこの半数の子供は娘と同じ小学校に行く。
青梅の田舎なので、小学校は各学年1クラス。
いじめが起きても6年間クラス替えができない。
うちの子に限らず、どこのお子さんも、いじめる側にもいじめられる側にもならないように、今から人間関係を作っておくための、事前対応です。
大勢の子供たちにカンチョーされ、ぶら下がられ、くすぐられ、
初めのころは、娘が一番ベッタリで、ほかのお子さんと遊ぶとやきもちを焼いていたが、だんだんに、「パパは人気者だね~」
と言って、そんな父親を誇りに思っている様子。
もちろんH君も凶暴なほどの乱暴を私に振るってくる。
それでも目標から逆算した仕事前の至福の時間である。
先日は卒園式があり、夫婦で参加させていただいた。
保育士さんたちの手作りの演出に感謝と涙があふれてくる。
半数ぐらいの家庭が両親そろっての参加だったように思う。
H君はおばあちゃんが参加。
卒園児たちの入場の際、ちびっ子達は両親や母親に見守られる中、
緊張した様子で黙々と歩いてくる。
H君だけは手を振って歩いてきた。ニコニコしながら。
式典の最中は、一人だけしゃべって先生に叱られ、
たまに振り返っては満面の笑みで手を振る。
その手を振る先は、常に私だった。
その時に決意をした。 H君の小学校の入学式にも行ってあげよう。
どこのパパよりも笑顔で、H君の入場を迎えてあげよう。
人は愛に飢えて問題行動を起こすらしい。
暴走族も薬物乱用も、いじめも、リストカットも、引きこもりも、すべては愛されたい欲求がみたされずに、不幸だからやってしまう。
自分なんて生きている価値も無い・・・って。
いじめという現象は、その下で、他人の目には見えない愛に満たされない不幸からおきている。
「いじめをしてはいけません」 現象を注意しても直らない。
「あなたはすばらしい人だよ」「あなたに価値があるよ」
「あなたには無限の可能性があるんだよ」
「あなたを愛しているし、信じているよ」
そんな関わり合いが、否定的な自己から肯定的な人生へと切り替える。
その言葉をかけてくれるのは、別に大勢でなくてもよい。
たった一人でも、本気でそう信じて、本気でかかわってくれる大人がいるだけでいいんだ。
愛を与えない血のつながった親よりも、
本気で思ってくれるたった一人の大人の存在。
口先だけでなく、信じる思いは行動によってのみ相手の心に伝わり、
人から信頼された心が、本人の行動を”善”に方向修正させる。
信じる心。
本気で相手の可能性を信じられる人間。
20年前、国家資格をもらったときに、自分がそんな人間を目指すとは考えもしなかった。
そんな自分が今、他人の可能性を信じられるようになってきた。
娘が6歳になった成長を喜んでいながら、
自分も成長してきたんだと思った出来事でした。
これからも学び続けます。
自分の可能性を信じます。
みなさんの健康回復の可能性も信じます。
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