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あえて火中の栗を拾う

一度良くなって、しばらくご無沙汰していた患者さんが、腰の痛みで再来院。
病院のレントゲンでは腰椎3番が狭く、4番5番にすべり症と言われたとのこと。
「まあ、回数はかかると思いますけど、だんだん良くなるでしょ~
 以前も治ったんだし。」
そんな気持ちで治療していたのですが、そこから2ヶ月して今日また再来院。
「3月に手術をしたんです」
え? あれぐらいで?
「あのあと痛みがひどくなって、MRIを写したら、脊髄に腫瘍が見つかったんです」
うっそ~! 
でも、麻痺がなかったじゃないですか!
「あのあと麻痺が出たからMRIを写したんです」
ここからいくつかの学びがありました。
高槻病院という検査力のある病院で発見されたのですが、
腫瘍が神経に絡んでしまっているので、
「私にはこの手術は無理なので、別の病院を紹介します」
と、近隣では手術症例が多い村山病院で手術になったのですが、
その担当医の先生が、
「これは僕じゃなかったら手術できなかったよ」
と言っていたそうです。
日本でも手術でミスをして、または思うような結果が出なくて、
担当医が患者さんから訴えられるようになった頃から、
外科医が減って、精神科医、心療内科医が増えたそうです。
産婦人科医の減少は社会問題にもなっていますね。
統計では精神科医、心療内科医が増えるのと同時に、
国内のうつ病患者が増えているということが、
なにかの偶然なのか、密接な関係があるのかわかりません。
あえて火中の栗を拾う
65歳以上は受け付けしないと言いながら、どうしても頼まれると断れない性分で、
先日も書きましたが、脳動脈瘤や頚動脈硬化症など、本当なら勘弁して欲しい人たちを担当しています。
危険察知能力や危機回避能力も身につきまいたし、何よりも人の役に立つ高揚感で生きています。
ただ、治療後にシビレが出たり、先ほどのマヒが出たりした場合、
「これが好転反応なのかな?」とは思わずに、
速やかに病院で診察を受けてくださいね。 と切に願います。
でもやっぱり、価値観の合わない人は、触りたくないな~。
先ほどの患者さんは手術をしてもまだ少し痛いからって来てくれますけど、
「首をイジったせいで腫瘍が大きくなった」
って言われることだってあるかもしれません。
「細胞が活性化するってことは、ガン細胞も活性化するってことだろう!」
みたいな。
今、弁護士さんに相談しながら、治療前に長い文章を読み合わせして、
最後に自署と印鑑を押すような書類を作るべきかどうか考えています。
そうでもしなければ、自分の身を守れない。
とりあえず明日は、あえて冷海のタコを拾う って感じです。

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